『導引』Story’s

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『荘子』をイメージした絵画です。




『導引』
それは荘子と同じ戦国時代(紀元前400年〜200年)の中国医学の経典『黄帝内径』に、
その発祥とその地の事が書かれていると言う記述が残っています。

導引の語源について、一説に『荘子/刻意』では、「導気令和(気を導いて和せしめ)、
引体令柔(体を引いて柔せしむ)」だと言われています。

導引とは

【唐の時代の著名な医家は「導引を繰り返して、気の流れを改善し、それに加えて薬で攻めれば、体の中の滞りや積(注1)を取り除いて病気を治すことができる。導引を繰り返さず、薬の治療だけでは治すことはできない。」と述べ、「導引とは、筋骨を揺り動かし、手足や関節を動かすこと」と注釈しています。】ー導引養生功入門編ー

*注1)積とは次第に積み重なる事で癌の事をさしています。

導引』、それは、
導気』、と『引体令柔』を一つにまとめた言葉です。
導気とは静気を導く功法の事で、引体は動の気を導く功法の事です。導気は『静功』引体は『動功』です。


導気はーーー> 右 🔽 クリック

道士の修養でもあり具体的には吐納法【吐故納新】(注2)を主とする静功により精神を静め、ゆったりと落ち着かせて(調心)呼吸をととのえ(調息)させ気導くことのようです。 《*(注2)吐納法【吐故納新】とは古きを吐き、新気を入れる事。》

導気令和は「気を導いて和せしめる」つまり導気して、気を巡らせて和み(内に溶け込むまたは馴染ませる)の状態にすることの様です。


引体令柔はーーー> 右 🔽 クリック

「体を引いて柔せしめる」身体を揺り動かし、手足を伸ばしたり、筋肉や関節を動かし、ゆるめ、柔らかな状態にすることです。
屈伸、旋回、捻転動作をもって体のすみずみまで動かして強ばったり萎縮している筋肉や関節を刺激し、神経に働きかけることで全身を柔らかな状態にととのえます。(調身)


導気静功引体動功、つまり『導引』は静功動功の組み合わせ

導引とは導気の「導」と引体の「引」を組み合わせた言葉ですからその両方の性質(目的)をあわせもつことになります。

ちょっと難しいですね。
でもここでわかる事は、呼吸法とはカウントを数えて吸ったり吐いたりする事では無いのは分かります。
『導引』では、静功の「調心」、「調息」、動功の「調身」が重要なのですね。気功は呼吸法だけでなく、この動功の調身もとても大事になる事が分かります。


導引養生功では、『起こり』(起源)を大切にしています。
それは創始者であります、張 廣徳老師が最も大切にされて日夜研究に勤しんだことからも明らかです。その廣徳老師の意思を御長男の玉松老師が受け継ぎ、更に磨き進化の道を進めています。

この様に起こりを大切にして、そのプロセス(経過)の上に成り立っている、導引養生功は、『導引』が古代から現代まで息づいていると言えるのです。

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参考文献:
『導引養生功入門編』(株)キャンパスシネマ  張 廣德・張 玉松 著 P.100、
『週刊朝日』 122巻30号 2017年6月16日p.55、
『漢籍国字解全書 先哲遺著追補 [第29巻]』荘子 早稲田大学編輯部/編輯 早稲田大学出版部 1914年出版p.52、
『荘子 全訳注 上』 池田 知久/訳注 講談社 2014年5月出版、p.941、

この後も続いて制作いたします。

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